小谷野敦フェミニスト文学者とのやり取り。
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060613

学術書に載った書評も、もととなった「聖母のいない国」も読んでいないので、まあ、いつもの小谷野節が炸裂していることだよ、と楽しむだけなのだが、ひとつ気になったことがある。往復書簡の冒頭、相手の吉原真里に小谷野が「さま」付けで呼びかけていることだ。

「さま」という敬称は、ビジネスレターでもマスコミでも普通は使われない。なぜなら、皇室の方々の名前や階位にのみ用いる敬称だからだ(例:雅子さま愛子さま、皇太子さま)。日本語にはうるさいはずの文芸評論家が、あえて「さま」付けで呼びかけるということは、天皇制嫌いであろうこのフェミニスト文学者に対するイヤミが含まれている−−というのは下衆の勘繰りだろうか(いや、違う:反語表現)