トレードオフなんて忘れてしまえ

「人でなしの経済理論」読了。これは、著者の山形浩生氏にとっては論敵(?)である池田信夫氏もブログのエントリでとりあげていた本だ。世の中にあるすべてのことには良い部分と悪い部分がある。子供を救おうとすれば費用がかかって他の老人を救えなくなる…

じゃあアウトローや暴走族はアスペルガーなのか?

なんだろうこの違和感。【1498】曖昧な対人関係を理解できずトラブルを繰り返す部下は病気でしょうか http://kokoro.squares.net/psyqa1498.html会社でこんな人がいたら大迷惑であろうことは想像がつく。私が気になったのは、この人に対して「発達障害」とか…

山形浩生の「クローバーフィールド」映画評。http://cruel.org/other/rumors2008_1.html#item2008050301あれ、と思ったのは「クローバー畑」の解釈。子供の頃に見たクローバー畑なんてシーンあったっけ?(ここからヤヤねたばれ)「クローバーフィールド」と…

「意図せざる結果の法則」翻訳

池田信夫氏に取り上げられた、NYタイムズ記事をざっくり翻訳してみた。ところどころ怪しいが、まあ大意はとれるものと思う。Unintended Consequences By STEPHEN J. DUBNER and STEVEN D. LEVITT Published: January 20, 2008http://www.nytimes.com/glogin?…

宮台真司と神成淳司のトークショーにいってきたよ

丸善のあんなところにシンポジウム会場があったなんて、知らなかったのでびっくりした。宮台真司について、とくに語ることは無い。いや、無いというか(笑)、熟達した語り芸を見せていただいただけで、もう満足である。定番のトーク内容を、その場のコンテ…

まる激トークオンデマンド

面白い内容だった。 http://www.miyadai.com/index.php?itemid=496宮台真司氏が「正義論」を持ち出して、公正のために相続税を100%にしてしまえ(実質的な相続禁止)という議論があることを紹介しているが、相続税を廃止してまえというのは、ロールズの…

天皇でてこい! LA Times の慰安婦記事(翻訳)

昨日につづいて、池田信夫ブログねた。LA Times の慰安婦記事も訳してみた。この問題について謝罪すべきなのは、天皇なんじゃないの? 彼があやまれば八方がまるく収まり、どこからも文句が出ないだろう、というのは、外人とは思えない立派なスジ論ですな。…

ニューヨークタイムズの従軍慰安婦の記事

池田信夫ブログで知ったのだが、またぞろ慰安婦問題がさかんになっているらしい。しかも今回は米国で。問題となっているニューヨークタイムズの記事を読んでみた。軍の関与、いわゆる「狭義の強制」については、単に「歴史家がそう述べている」というだえに…

さいごに

めんどうくさいので、モヒカンとアスペルガーは、合体して「モヒペルガー」と呼ぶことにする。数年前、あるメーリングリスト上で「モヒペルガー」さんと対決したことがある。その人は、独自の固着した論理をふりかざし、場の空気もよまず、他人の会話の展開…

アスペルガーの論理的な帰結

そしてそれは、モヒカンではない「こちら側」が取りうる、最善の選択である。「相手の立場に立って」物事を考えることができる点が、「こちら側」の特徴である。さて、上記に書いたことは、まさに相手が「モヒカン」であり「アスペルガー」であるということ…

モヒカンの論理的な帰結

相手がモヒカンであれば、>情緒的なやりとりよりは情報の交換を重視する。 >社交辞令は抜かして端的に論点を述べることが望ましいと考える。 >正しい情報に対して尊重する態度を持つべきである。 という態度を持っていることが想定される。であれば、その…

アスペルガー・ロジック

ふとログを確認したら、なんか Wikipedia からリンクを張られたようでびっくりした。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%B3%E6%97%8F_(%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E7%94%A8%E8%AA%9E)「モヒカン族」=アスペルガー症候群とい…

XBox360 は日本の OL 達にぴったり、という海外記事について

「あるある大事典」では、納豆や味噌汁の話をわざわざ海外の研究者に聞きにいくことで、捏造の発覚を防いでいた。どうように、海外メディアもわざわざ日本のメディアを経由することで、発覚を回避するという戦術に出るらしい。論より証拠、これをご覧じろ。 …

サイトを「買わなくてはいけない?」

木曜日。コナンは番組冒頭、神妙な面持ちで視聴者に語りかける。「これから私が言うことは、コントのために作った話ではありません。100%、まったくの真実の話なんです。信じてください、100%真実です!さて、僕は月曜日に、マナティーに関するコン…

コナン・オブライエンショーに見るアメリカの病理

たまにはアメリカ滞在ネタなど。こちらのコメディを見ていて、あまり心のそこから笑えたことがない。文化の違いは笑いのセンスにもあらわれる。そんななかでも、NBCで放映されている「コナン・オブライエン」(Late Night with Conan O'Brien)は、わりと日…

部下となる人間の「取替え可能性」

このITPro 記事に対する違和感には、もうひとつ別のアングルがある。もし仮にあなたが、半年かかったプロジェクトの完成を祝う会の席上で、上司に「でもこれ、別の人でもできたんだよな」と言われたらどうだろうか。不愉快になることは確実である。人は誰で…

ある競争に別のルールを持ち込んでいる「ズル」感

技術者は、自分の技術的な能力が評価されることを好む。蓄えた知識や、経験から得られた判断力を、他人のために供用することで尊敬を集める存在である。より多く、より的確に他人の(技術的な)問題を解決した奴が、より大きな尊敬を得ることができる。すく…

ヒューマンマネージメントへの「違和感」について

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20061206/256081/すでに「これはひどい」タグがついていたりするが、ちょっと待って欲しい。この記事(そして同じ筆者による別の「ヒューマン・マネージメント」系の記事)にこれだけ否定的な反応がついたこと…

モヒカン族とアスペルガー

http://d.hatena.ne.jp/j0hn/20061023/1161562017ここで、モヒカン族とか void とかいわれている現象をよむにつけ、これってアスペルガー症候群に似ているなという印象を持った。アスペルガー症候群については↓を参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82…

内容は面白かったんだけどね

宮台真司の愛国心対談。 http://www.hideshima.co.jp/newpage32.html ところが、日本の社会科教育では、法律で一番えらいのは憲法だというふうに教えられているので、まるで国民が憲法に違反できるかのようなウソを教え、したがって、憲法が国民に何か義務を…

「リベラリズムとは何か」とは何か

盛山和夫「リベラリズムとは何か」を読了。リベラリズムとは何か―ロールズと正義の論理作者: 盛山和夫出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2006/06/01メディア: 単行本 クリック: 44回この商品を含むブログ (49件) を見る格差原理の「正しい」解釈や、内省的均…

双風舎「バックラッシュ!」:鈴木謙介の文章にイライラさせられた件について

この本で一番の収穫は、山口智美の論文だ。「ジェンダーフリー」の由来に(いい意味で)しつこくこだわり、果てはアメリカで引用元とされるフェミニストへの突撃インタビューまで敢行してしまうあたり、学問の鬼、学者の鑑である。まことにあっぱれというほ…

小谷野敦とフェミニスト文学者とのやり取り。 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060613学術書に載った書評も、もととなった「聖母のいない国」も読んでいないので、まあ、いつもの小谷野節が炸裂していることだよ、と楽しむだけなのだが、ひとつ気になっ…

小谷野敦と「お出会い本舗」

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060528 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060602こうあらねばならない、という自分の「正義」や「スジ」を、会員を獲得するという「商売」に優先させている節がみえるこの出会い系サイト、怖いというより、単純にこ…

「つくる会」分裂騒動

西尾幹二の顛末記がめっぽう面白い。しょせん他人のケンカでしかない今回の騒動、事実関係の正確さについては判断できないが、読ませる筆力と無駄にデカい排気量((c)大月隆寛)で、敵役となった学者や運動家の追随をまったくゆるさない。宮台真司が「論壇オ…

ラーメン嫌韓流

たいした愛国者でも、いまハヤリの「ネット右翼」でもない私が、お隣の国・韓国について「ハァ〜」っとため息をついてしまう瞬間というものがある。竹島がどうしたとか、そういうことじゃない。ふと立ち寄った、ラーメン屋での話だ。客として食堂にはいった…

マックスウェーバー

当方とおなじ社会人で、最近になってマックスウェーバー「プロテスタンティズムと資本主義の精神」(いわゆる『プロ倫』)を読んだというひとに二人も出会った。どちらも30代後半で、あまり思想や哲学、社会学にのめりこんでいたとはいえないタイプである…

なべやかん、藪本ブログ騒動に一言

「彼女のいいたいことはわかる」 -- なべやかん、バッシングされた藪本アナに『擁護』の構え。「男の子がパンツ見たがるなんて、あたりまえじゃないですか(笑)。証拠がほしければ、ボクを見てよ! 見ているだけじゃ飽き足らなくて、頭から被っているくらい…

仲正昌樹

『「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言』読了。最後の章を読んで、「匿名のアイロニストは成立するか?」という疑問を抱いた。仲正が、北田が論難するようなシニシズムに陥らないですむ理由には、彼が自分の名前で発言しているからという点も大きい…

山形浩生のやおい本

http://d.hatena.ne.jp/spam/20060305/1141560691これって、例のテクハラ裁判以来、山形とは因縁が浅からぬ文芸フェミニスト陣営がおこなったひそかな「意趣返し」というアングルは無いのか?