コナン・オブライエンショーに見るアメリカの病理

たまにはアメリカ滞在ネタなど。

こちらのコメディを見ていて、あまり心のそこから笑えたことがない。文化の違いは笑いのセンスにもあらわれる。そんななかでも、NBCで放映されている「コナン・オブライエン」(Late Night with Conan O'Brien)は、わりと日本人の波長にも合うバカなネタをやっているので、安心してみることができる。(逆に、「サタデーナイトライブ」などは見ていても面白いと思ったことがない。。)

そして、最近この「コナン・オブライエン」で起きたある事件には、本当に腹を抱えてわらった。と同時に、アメリカ社会の怖さも感じさせる事件でもあった。


ことの発端は月曜日。

「コナン・オブライエン」は、司会者のコナンがゲストを招いて繰り広げるトークショーと、スタジオでの寸劇やビデオクリップによるコントからなる。

その日のコントのひとつは、世に氾濫するアダルトサイトをからかったものだった。「24時間密着!生動画が見放題!」という触れ込みで、誰かがウェブカメラの前でくねくね踊っている。カメラがズームアウトすると、それは着ぐるみの「マナティ」であることがわかる。そう、あのジュゴン目に属する海洋哺乳動物のマナティである。「360度どこからもでマナティのこんな姿やあんな姿が見られます!」と解説がかぶる。

次のシーンでは、常連登場者しているバンドメンバーの一人が、サングラスをかけたままパソコンに映ったマナティを見て、口元をにやけさせている。スタジオの観客からは歓声と笑い声が聞こえてくる。

最後にコナンが座っている司会席にカメラが切り替わる。「いやぁー、すごいねえ!ウェブサイトでマナティ見放題! もっと見たかったら、www.HornyManatee (発情したマニティたち).com というサイトもあるでよ!」とコナンが締めくくる。

.... いったいどこが面白いんだ?と疑問をお持ちの方も多いだろう。その疑問は正当だ。なぜなら、ここは笑うところではないからだ。

本当のネタはここからである。