まる激トークオンデマンド

面白い内容だった。
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=496

宮台真司氏が「正義論」を持ち出して、公正のために相続税を100%にしてしまえ(実質的な相続禁止)という議論があることを紹介しているが、

相続税を廃止してまえというのは、ロールズの議論ではなくて、ノージックの議論なのでは?とはいえ A Theory of Justice が手元にないので確認できない..

もうひとつ、「アメリカでは格差が大きい」ということの理屈付けとして、5パーセントの国民が6割の富を所有しているという統計が引用されている。

これにも反論はあって、評価額はあってもほとんど売ることができない資産(広大な土地、公園、ビルなど)の名目的な所有者としてたまたまアサインされている人がいるというだけで、それが見かけの格差を大きめに見せている、と。100億円の土地があったからといって、そうホイホイと買い手が現れると思いますか?

流動性のある資産だけに限って「貧富の差」を定義したらどうなるだろうか。誰か、すでに論文を書いていたりしないだろうか。

(追記)この回の女性ゲストが書いた「超・格差社会アメリカの真実」をつい買ってしまった。

歴史のハナシ、あとまあヒューマン・インタレスト的な点描はよくできていると思うが、経済学的にはどうなんだろう?

「不動産投資においても最大のコストは金利だから、金利が下がれば不動産価格は上昇する。だから資産価格の上昇で最も恩恵を蒙るウォール街は、低金利をつねに歓迎する。 ... マネーサプライが増えて借入が容易になり、それが投資に向かって資産価値を吊り上げ、そこで売却益が発生すれば、それはGDP(国内総生産)を押し上げる。しかし資産価値の上昇はCPIには直接反映されない。... (しかし)資産価値が上がってGDPが上がり、CPIは大して変わらなければ、インフレなき成長が続いているように見えるし.. (p84)

GDPは(わたしの記憶が正しければ)その年の産出量をはかるものであって、資本価値の増大や、それにともなう売却益(キャピタル・ゲイン)は参入されないはず。だから不動産価格が上昇すればGDPが増大するというロジックはよくわからない。

が、もしかしたら教科書レベルをこえた「超ロジック」では、それはきちんと説明されるのかもしれない。ここらへんはシロートの悲しさ、間違いとは断定できない。ついてはひとつ、トンデモ物件(?)をなんども目にされているはずの名鑑定士様のご判断をあおぎたいのだが、いかがでしょうか。