白石一文「僕の中の壊れていない部分」

一気に読んでしまった。理屈癖と厭世観を重ね持つ男の、最後まで屈折したままの独白でありながら、なにか読む側にいろいろなことを考えさす。宮台信司が何かで褒めていたので入手しようと本屋を探し回ったが、結局見つからず、あきらめていたら、改装した青山ブックセンターであっさり発見。これも夜を徹して一気に読んだ。
情景描写がとてもうまい。文が、ビシッと決まる感じが呼んでいて心地よい。作者のほかの本も読みたくなった。